2025年3月から、健康保険と介護保険の保険料率が改定されました。
この改定、実は「全国一律」ではなく、都道府県によって「引き下げ」と「引き上げ」が混在しているのがポイント。
さらに、介護保険料率についても微減の動きがありますが、こちらも数字の誤解には注意が必要です。
本記事では、改定内容を正しく理解し、実際にどのような影響があるのかをわかりやすく解説していきます。
地域によっては負担が軽くなる場合もあるため、まずは自分の住んでいる場所の情報を知ることが大切です。
2025年の健康保険・介護保険料率改定とは?
2025年3月分(4月納付分)から、全国健康保険協会(協会けんぽ)における健康保険・介護保険の保険料率が見直されます。
今回の改定の大きな特徴は、都道府県ごとに「引き下げ」と「引き上げ」が混在している点です。
具体的には、2025年度は以下のようになっています。
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健康保険料率:引き下げ18都府県、引き上げ28道県
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介護保険料率:1.60% → 1.59%(全国一律で微減)
たとえば、東京都では9.98%から9.91%へと引き下げられますが、逆に北海道や福岡県などでは引き上げられています。
つまり「全国的に下がる」わけではなく、地域ごとの違いを把握することが重要です。
地域によって異なる!健康保険料率の具体例
2025年度の健康保険料率は以下のように異なります。
地域 | 改定前(2024年度) | 改定後(2025年度) | 増減 |
---|---|---|---|
東京都 | 9.98% | 9.91% | -0.07% |
大阪府 | 10.34% | 10.24% | -0.10% |
北海道 | 10.33% | 10.35% | +0.02% |
福岡県 | 10.30% | 10.33% | +0.03% |
このように、地域によって増減の幅や方向が違うため、一律に「手取りが減る」とは限りません。
むしろ、一部地域では保険料負担が軽くなるケースもあります。
介護保険料率の改定内容
介護保険料率は40歳〜64歳の第2号被保険者に適用される全国一律の料率です。
2025年度は以下のように変更されます。
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2024年度:1.60% → 2025年度:1.59%(-0.01%)
わずかではありますが、引き下げとなっており、給与からの控除額が少しだけ軽減される見通しです。
月収30万円の方であれば、自己負担分の介護保険料はおよそ30円前後軽減されることになります。
家計・企業への影響はどう変わる?
地域によっては保険料率が引き上げられているため、その場合は手取りがわずかに減る可能性があります。
反対に、料率が引き下げられている地域では、保険料負担が軽くなり、手取りが増える場合もあるのです。
一方、企業側も保険料を従業員と折半で負担するため、給与計算ソフトへの対応や事前の情報共有が重要になります。
特に中小企業では、人件費に関わる調整やコスト試算が必要になるでしょう。
今後の見通しと備え方
今回のように、保険料率は毎年見直される仕組みです。
今は下がっていても、来年以降にまた引き上げとなる可能性も十分にあります。
そのため、以下のような備えをしておくことが大切です。
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固定費(通信費・保険料など)の見直し
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iDeCo・つみたてNISAなどの活用
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給与明細のチェックと比較
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扶養範囲の収入調整
制度を正しく理解した上で、将来に備えた行動を少しずつ取り入れておきましょう。
Q&A
Q: 保険料は全国で下がるのですか?
A: いいえ。2025年度は引き下げ18都府県、引き上げ28道県と、地域によって異なります。
Q: 健康保険料が下がるのはどこですか?
A: たとえば東京都、大阪府などでは引き下げられますが、北海道や福岡県では引き上げとなっています。
Q: 介護保険料率はどのくらい変わるの?
A: 全国一律で、2024年度の1.60%から2025年度は1.59%へ微減となります。
Q: 保険料が下がるなら、手取りも増える?
A: 地域によってはそうなる可能性もあります。反対に、料率が上がる地域では手取りが減る場合もあります。
Q: どこで最新の保険料率を確認できますか?
A: 全国健康保険協会(協会けんぽ)の公式サイトで、都道府県別の料率が確認できます。
まとめ
今回の記事では、以下のポイントを解説しました。
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健康保険料率は都道府県ごとに「引き下げ」と「引き上げ」が混在
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全国では「引き下げ18都府県」「引き上げ28道県」と分かれている
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介護保険料率は1.60%→1.59%と微減(全国一律)
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保険料率の変化は地域や年収によって手取り額や家計に異なる影響を与える
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最新情報は必ず協会けんぽ公式サイトで確認することが重要
保険料率の変化は小さな数字でも、年単位で見ると大きな差になります。
正しい情報をもとに、自分の地域の料率や家計への影響をしっかりチェックしておきましょう。